ビジネスの意思決定を行う際、データを確認します。
データの確認作業にはダッシュボードと呼ばれる、グラフを並べたものが使われます。ダッシュボードの作成には、タブローやGoogle Data Portalなどのツールや、自社で作成したものが使われます。
この記事では自社で簡単にダッシュボードを作成するのに、Pythonのplotlyというパッケージを使ってグラフを簡単に作成する方法を解説します。ビッグデータ時代にデータ活用する際に重要なのは、各自が確認したいデータを確認できるというツールを用いることです。このあと、実際にデータを使ってplotlyで作ったグラフにより、どのようにデータの利用体験が変化するかを体感していただきます。
plotlyを使うメリット
plotlyはplotly社が作成する、OSSの可視化ツールです。plotlyを用いるメリットは次の3点です。
- 各自が見たいものを見れる(インタラクティブ)
- 作成・共有が容易
- 日本語がそのまま使える
データをグラフにする理由
その際にデータを表で確認しても、理解しづらい部分があります。意思決定に利用できるデータが増加しているため、人間が一目見ても理解できないからです。
次の画像はMITI POS小売販売額指標という、経済産業省が毎週出している各商業形態別のデータの菓子、加工食品、タバコの動向をピックアップしたものです。今回の記事の仮定として、先述の3種類の売り上げ動向を気にしている企業であるとします。
週別のものを月にしてデータ数を減らしているのですが、いかがでしょう?
画面に収まらないという時点で、表のままでのデータの理解は難しいと言えます。

plotlyでグラフを作成
それでは先の表データをplotlyを使ってグラフにします。ちなみにインポートも含めコード3行でグラフは作成できます(コードは後述。品目名が長いため、スマホでは見づらくなっています。ぜひ、PCでご確認ください)。
グラフを見て、どのように思われますか?
想像するに、グラフにしてわかりやすくなったけど、線の数が多すぎて状況が掴めないということでしょう。
インタラクティブにデータが確認できる
これまでのプレゼン資料などを考えると、データの種類が多いと見にくくなるため、データの種類を絞らないということでしょう。
それゆえ、会議では資料の作者の注目したデータしか共有されず、自分の注目するデータが見れないということが多くあります。それゆえ、データ活用が進まないという点があります。
しかし、それはツールが悪いと言えます。今回利用しているplotlyだと、先ほどのグラフの横にある凡例をクリックすると、凡例のデータの線が消えたり現れたりします。
下の画像のように、各業態ごとのお菓子の売り上げや、コンビニでの売れ筋の変化が、各自の手元で確認できます。(上のグラフを使って試してみてください。)


コードも簡単
こんなコードを書くのって難しいのでしょ?という意見もあるかもしれません。しかし、plotlyを使うとグラフのコードは3行ですみます。
import plotly.express as px
fig = px.line(data_kashi, x='期間_表示', y='販売金額(原指数)', color='name')
fig.show()
ツール選定の重要さ
今回はplotlyでデータを可視化することにより、見たいデータが見れる!という点を取り上げてみました。
グラフが動的になることにより、会議などでの意見の出方が変わることも想像していただけたかと思います。ビッグデータ時代にはデータから事実を発見し、そこからアイデアを作ることが求められます。
ビッグデータが活用できる時代には、今回確認したように、それを活かせるツールを選択することも重要になります。
このようなツールを使って、自社の会議を活発にしたいと思われたら、ぜひ長目にお問合せください!
plotlyの利用に興味を持たれた方は、私が共著で執筆した「Pythonインタラクティブ・データビジュアライゼーション入門」を購入されると、より理解が深まります。