
日銀短観が7月1日に発表されました。今回は2021年6月のデータが加わりました。
それに合わせて弊社の日銀短観DI観察ダッシュボードも更新しました。
概要
ニュースのヘッドラインを観察すると、市場の予想を下回ったものの、大企業製造業の業況判断指数(DI)は大幅に改善し、2年半ぶりの高水準、大企業非製造業のDIもプラス圏への回復ということを報じていました。
先行きに関しては、商品高からのインフレで懸念感があるという捉え方のようです。
参考記事:
景況感、非製造業5期ぶりプラス(日経新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO73451510R00C21A7MM0000/
6月短観、先行き早くも黄信号 資源高の影響じわり(日経新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB00022_R00C21A7000000/
ダッシュボードを使って、大企業の実績DIと予測DI(2021年6月)を比較すると図1のようになります。
右下にあるのは木材で、実績は+18と高いものの、予測は―12となっています。この辺りは足元の木材価格の上昇を嫌気しているといえそうです。
図1の左下の対個人サービス、宿泊・飲食サービスは予測は回復を見込んでいます。

2021年3月の予測と2021年6月の実績を表示した図2を見ると、宿泊・飲食サービスは、前回も予測(-58)は高かったものの実績は低くなった(-74)傾向が分かります(ヒストリカル: 図3)。
その他のものは3月予測よりも6月実績が高く出ているものが多く、よく言われるK字回復の傾向が見えます。


中小企業と大企業の比較
中小企業(y軸)と大企業(x軸)の実績DIを比較したのが図4です。
中小企業で大企業と比較して実績DIの値が良いのは、電気ガス、自動車、鉄鋼、業務用機器のみとなります。それぞれのヒストリカルを線グラフでも表示しました(図5~図8)。これを見ると、電気・ガスのみ大企業と中小企業で大きなギャップがあるようです。





まとめ
以上、7月1日に発表された日銀短観の少し気になった部分をとりあげました。
データを触ってみたい方は、長目のダッシュボードをご参照ください。
ダッシュボードの使い方に関しては、過去のブログ記事をご参照ください。
データは日本銀行時系列統計データ検索サイトより取得し、合同会社長目が加工・ダッシュボード化しています。