facebookのLibra
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祇園祭も鉾巡行が終わり、夏が来ても良いはずですが、梅雨明けはいまだ宣言されません。以前作った梅雨ダッシュボードで関西を見てみると、梅雨明けの中央値は7月18日とそろそろ梅雨明けしても良いはずですが、今年は入りも遅かったのでどうなることやら。ムシムシしているのはちょっと不快感が高いです。

facebookのリブラ
さて今回取り上げるのはfacebookのリブラです。リブラを少し説明しておくと、6月18日にfacebookがブロックチェーンのプロジェクトを公開しました。それがリブラです。そしてそれが世界中に論争を巻き起こし、関連記事を見ない日はないという状況になっています。

リブラで取り扱われる通貨は二種類あります。一種類は運営に参加するためのリブラ投資トークンです。こちらは1千万ドル以上の購入、企業価値が10億ドル、顧客が2000万人以上みたいな縛りがあります。企業向けって感じであまりこちらは触れられていません。

話題になっているのはリブラトークンです。これはリブラで使える複数の通貨価値に担保された仮想通貨・暗号資産です。この辺をめぐって世界中で論争が巻き起こり、facebookにそんなことやらして良いのかみたいな話になっています。

基本的な構造は、リブラトークンを一般の人が資金を支払って購入し、その資金は担保として各国の高格付けな債券で運用され、それがリブラ運用の資金となり、リブラを保有する人はその利益は得られないという風になっています。

facebookはこれをファイナンシャルインクルージョン(金融包摂)のために行うといっており、銀行口座を持てない人、手数料を多く払っている人などにメリットがあるといっています。国を超えた資金送金などもブロックチェーンを使えば、これまでのように日がかからず、手数料も安くできてしまいます。

しかし規制当局などは本人確認の問題などを理由に、ストップをかけようとしています。国際送金などにお金がかかるのは本人確認などのコストというのは有名な話ですが、その辺りがなくなる不安というのがあるのでしょう。

しかし一方で本人確認していても、怪しい資金の流れは止まってないし、バングラディッシュの中央銀行の資金が盗難にあったような事件でも、犯人が見つかっていなかったりします。

バングラ中銀盗難、ハッカーはSWIFTのソフトウエアに侵入か(ロイター)
https://jp.reuters.com/article/usa-nyfed-bangladesh-malware-idJPKCN0XM0Q8

本人確認なんかも、自主的に出される資料を基にするよりも、facebookやgoogleが集めるビッグデータを活用した方がこのような犯罪も防げるような感じもあります。

面白いのは金融エリートが多く語っていること
さてこれまでビットコインなんかの話は、金融エリートからはちょっと触れられたものの「まぁそんなものもあるんですなぁ頑張ってね」的なものでした。

しかし、リブラは金融エリートが真剣に色々と検討するようなものとなっています。例えば、元日銀審議委員の木内さんは連日、レポートで取り上げておられます。

http://fis.nri.co.jp/ja-JP/knowledge/commentary/category/kiuchi.html

面白いのは木内さんが新通貨・リブラと、すでに通貨として扱っておられ点です。日銀時代もそうですが、やはり木内さんは面白い!!!

トランプ大統領も触れてますし、CNBCにFRBのパウエル議長が出れば、リブラに関して質問攻めにあうという感じの流れになっています。G7も取り扱っていますし、この辺の流れはもう止められないので真剣に議論しておかないとという感じなのでしょうか。

政府の大きな負債とお金をたくさん持っている企業があるという現状
そもそもの問題は政府サイドの大きな負債でしょう。日本でリーマンショックと呼ばれる現象は世界ではGreat Financial Crisis(GFC)と呼ばれています。よく知られるように金融機関が住宅(だけではないと思いますが)バブルを膨らまし、それが破裂したように見られています。しかしそこで発生した負債は処理されたわけではなく、中央銀行の低金利策と共に政府は国債を刷り、中央銀行のバランスシートにそれを入れました。

不動産投資て著名なサム・ゼルはGFC時に不動産に対して大規模な投資をしなかったことを著書で述べています。著書を引用すると、

それ から 二 〇 年 後 の 二 〇 〇 八 年 に 再び 不動産 市場 が 暴落 し た とき、 墓場 の ダンス に 加わり たい という 人 たち からの 電話 が 殺到 し た。 その ため、 それ から 二 ~ 三 年間 は、 不況 の 内容 が まったく 違う の だ という 説明 を 繰り返す こと に なっ た。 私 は、 不動産 業界 に 墓場 の ダンス を する チャンス の 波 が 来 て い ない とき に、 資金 調達 を する つもり は ない。 金利 が ほぼ ゼロ の なか、 貸し手 は 帳簿 に 資産 が 残っ て い ても コスト は かから ない。 この とき、 不動産 への 貸し手 の 合言葉 は「 引き伸ばし、 取り繕う」 だっ た。 ローン を ロール オーバー し ても 損失 が 生じ なかっ た から だ。 つまり、 レバレッジ が 掛かっ た 物件 の オーナー は、 ローン の 支 払 期限 が 来 ても、 状況 が 改善 する まで 返済 を 先 延ばし する こと が でき た ので ある。 オーナー が 売却 を 迫ら れ て い なけれ ば、 割安 の 物件 が 大量 に 出る こと も なかっ た。
サム・ゼル. 逆張り投資家サム・ゼル (Kindle の位置No.1792-1799). パンローリング株式会社. Kindle 版.

ということです。 これが何を意味するかというと、GFC時に問題となった負債はなくなっておらず、増加しているということです。

IMFも負債の増加に対して警告を発し続けています。最新のブログでもそのような話をしています。

https://www.imf.org/ja/News/Articles/2019/07/17/blog071719esr-rebalancing-the-global-economy

そんな中、規模が国くらいあるお金持ちの企業が通貨を作ってしまったらどうなるのか?ということが現在起こるかもしれない現象であり、そう考えると注目しないでいられない現象であることはよく分かります。

この辺りは当社でも研究しており、勉強会も開いています。ご関心をお持ちの方は、是非。

https://scrapbox.io/changmu/20190722_Crypto_Kitchen

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